入退社手続きの『今どこまで?』をなくす進捗管理
「あの会社の入社手続き、今どこまで進んでる?」。担当者に聞いても「たぶん大丈夫です」としか返ってこない。クライアントから電話が来て、慌てて紙の書類やExcelを探し回る。入退社が重なる月末月初は、誰が何をやったのか事務所の中でも分からなくなる。そんな場面に心当たりがある方に向けて書いています。
なぜ手続きの進捗が見えなくなるのか
社会保険労務士事務所が扱う入退社手続きは、ひとつの届出で完結しません。雇用保険、社会保険、住民税の異動、マイナンバーの収集、労働条件通知書の交付など、提出先も期限もバラバラな手続きが同時に走ります。見えなくなる原因は、だいたい決まっています。
- 手続きごとに提出先と締切が違い、進み方が揃わない
- 担当者が複数人で、それぞれ自分のExcelやメモで管理している
- クライアント企業ごとにファイルが分かれていて、全体を横断して見られない
- 紙の申請書の控えがどこにあるか、本人しか分からない
- 入退社が集中する時期に件数が一気に増え、口頭確認が追いつかない
どれも一つひとつは小さな話です。ただ積み重なると「進捗を聞かれたら本人に聞くしかない」状態になります。担当者が休んだ日に限って問い合わせが来るのも、こういう事務所です。
入退社手続きの一日を覗いてみる
たとえばクライアントのA社から「来月1日付で3名入社します」と連絡が来たとします。担当者は従業員ごとにExcelシートを作り、雇用保険の資格取得届、社会保険の資格取得届、住民税の特別徴収の手続きをチェックリストで管理します。ところが別の担当者が急きょ同じ案件を手伝うことになると、どのシートを見ればいいのか分からず、本人に聞くところから始まります。
退職の場面はもっとシビアです。資格喪失の手続きに加えて、離職証明書の作成、源泉徴収票の発行があり、どれも期限が決まっています。クライアントから「離職票まだですか」と電話が来て、担当者が席を外していると、他の誰も答えられない。結局、電話を切ってから担当者の帰りを待つことになります。こうした場面が積み重なると、事務所全体の信頼にも関わってきます。
今すぐ自社でできる見える化の工夫
大きなシステムを入れる前に、まず手元でできることもあります。
- 手続きの種類ごとに「未着手」「書類待ち」「提出済み」「完了」のようなステータスを決めて、全員で同じ呼び方を使う
- クライアントごと、従業員ごとに1つの台帳にまとめて、誰が担当しているかを必ず書く
- 期限が近いものが一目で分かるよう、締切日の近い順に並べる
- 紙の控えは手続きごとに決まった場所に置き、どこにあるかを台帳にメモしておく
これだけでも「本人に聞かないと分からない」状態からは抜け出せます。ただExcelで台帳を作ると、今度は複数人が同時に開けない、ファイルのバージョンが分かれる、という別の悩みが出てきます。台帳そのものをみんなで同時に見られる場所に置けるかどうかが、次の分かれ目になります。
Zohoなら
Zoho Creatorを使うと、入退社手続き専用の進捗台帳を自社の業務に合わせて作ることができます。従業員ごとに雇用保険・社会保険・住民税といった手続きの項目を並べ、ステータスをプルダウンで選ぶだけにしておけば、誰が入力しても同じ基準で記録が残ります。クライアントごとの一覧、担当者ごとの一覧を切り替えて見られるようにしておけば、電話を受けた人がその場で答えられる場面も増えます。
また、ステータスが「提出済み」に変わったタイミングで担当者にチャットやメールが届くよう、Zoho Flowで通知を仕組んでおく方法もあります。手続きが完了したら上長に自動で知らせる、期限の3日前になったらリマインドが届く、といった形です。こうした仕組みは、最初から全部を自動化しようとせず、まず台帳をひとつにまとめることから始めるだけでも、見える景色はかなり変わってきます。自社の手続きの流れを紙に書き出してみるところから、試してみてはどうでしょうか。
And Soは、大阪を拠点に中小企業のDXを支援しているZoho導入パートナーです。顧客管理や業務の仕組みづくりについて、「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。