Zoho CRMとSalesforceを比べてみた|総合比較編
「Zoho CRMとSalesforce、結局どっちがうちの会社に合うんだろう。」大阪で中小企業のZoho導入をお手伝いしていると、よくこの相談を受けます。この連載では、全3回にわたってZoho CRMとSalesforceの違いを一つずつ見ていきます。第1回の今回は、まず全体像をつかむための総合比較です。細かい機能の話に入る前に、価格・運用体制・会社の規模という3つの切り口で、ざっくりとした地図を描いてみます。
この記事の結論
- まずは費用を抑えて、使いながら育てていきたい会社にはZoho CRMが向いています。
- 営業の型がすでに固まっていて、部門をまたいだ大きな仕組みを作りたい会社にはSalesforceが向いています。
- 顧客管理や商談管理といった基本機能はどちらも近く、差がつくのは費用・社内の運用体制・会社の規模です。
Zoho CRMとSalesforce、できることはどれくらい違うのか
意外に思われるかもしれませんが、Zoho CRMとSalesforceは機能の面でそれほど大きな差はありません。顧客の情報をまとめて記録する、商談の進み具合を追いかける、担当者ごとのタスクを管理する。こうした基本の部分は、どちらの製品も一通り備えています。Salesforce自身も、両社の違いについて次のように説明しています。ZohoとSalesforceは、どちらも顧客管理・商談管理・活動管理といったCRMの基本機能を備えており、機能の有無で差がつく製品ではありません。
差が出てくるのは、基本機能の先にある部分です。Salesforce自身の比較ページでは、カスタマイズ性についてZoho CRMはノーコード中心で手軽に調整できる一方、Salesforceは高度な仕組みで大きく拡張できるという違いが示されています。Zoho側の公式サイトでも、Salesforce がおすすめの企業は「独自のビジネスプロセスを反映させたい企業」だとはっきり書かれています。つまり「型通りの顧客管理で十分」という会社と、「自社独自のやり方をシステムに落とし込みたい」という会社とで、向き不向きが分かれるということです。どちらが優れているという話ではなく、自社の営業スタイルに近いのはどちらか、という目線で見るのがよさそうです。
料金を並べてみると(2026年10月28日時点)
費用は、迷ったときに一番わかりやすい判断材料です。ここでは2026年10月28日時点で各社の公式サイトに掲載されている料金をもとに整理します。
Zoho CRMの料金
Zoho CRMの公式サイトによると、Zoho CRMには、スタンダード(1,760円/月額)、プロフェッショナル(3,260円/月額)、エンタープライズ(5,660円/月額)、アルティメット(7,360円/月額)の4つの有償プランと3ユーザーまで永久に無料で使える無料プランがあります。利用したい機能や上限数に応じてプランを選択し、利用者数分のユーザーライセンスを購入します。なお、初期費用やオプション費用は発生しません。これらは年間契約での月額換算の金額です。月間契約を選ぶ場合は金額が上がり、¥1,760 /ユーザーライセンス/月 (年間契約)または ¥2,520 (月間契約)というように、プランごとに年間契約と月間契約の両方の価格が公式サイトに示されています。なお料金はいずれも税別での表示です。
Salesforceの料金
Salesforceの主力製品であるSales Cloudには、小規模向けから大企業向けまで複数のプランがあります。公式サイトではStarter Suiteが3,000円(JPY/ユーザー/月、月払いまたは年払い)と案内されており、ここから上のプランになると年間契約が基本になります。Salesforce製品のほとんどは年間契約ですが、Salesforceサブスクリプションには契約期間が異なるものもございます。Pro Suite以上の価格はPro Suiteが12,000円、Enterpriseが21,000円、Unlimitedが42,000円、Agentforce 1 Salesが66,000円で、いずれも1ユーザーあたり月額・年間契約となっています。これらの料金は税抜表示で、Starterのみ月額プランも選べます。なお、Salesforceには最大2ユーザーまで使える無料プランもあり、Salesforceには最大2ユーザーまで永年無料のFree Suiteというプランがあり、AI機能(Agentforce)も標準で組み込まれています。という点は、公平に見てSalesforceの強みと言えます。
| 区分 | Zoho CRM(税別・年間契約の月額) | Salesforce Sales Cloud(税抜) |
|---|---|---|
| 無料プラン | 3ユーザーまで無料 | Free Suite/最大2ユーザーまで無料 |
| エントリー | スタンダード 1,760円 | Starter Suite 3,000円(月払い・年払い選択可) |
| 標準 | プロフェッショナル 3,260円 | Pro Suite 12,000円(年間契約) |
| 上位 | エンタープライズ 5,660円 | Enterprise 21,000円(年間契約) |
| 最上位 | アルティメット 7,360円 | Unlimited 42,000円/Agentforce 1 Sales 66,000円(年間契約) |
並べてみると、1ユーザーあたりの月額はZoho CRMのほうが抑えめです。ただし人数が増えるほど差は金額として大きくなりますし、Salesforceも無料プランやStarter Suiteで小さく始めることができます。単純な「安い・高い」だけでなく、どこまでの機能を何人で使うかで実際の負担は変わってきます。
社内の運用体制で答えが変わる(カスタマイズのしやすさ)
料金と同じくらい大事なのが、自社に「システムを育てられる人」がどれだけいるかです。e-toms社の比較記事では、ノーコードでのカスタマイズのしやすさについてSalesforceが一定の対応力を持ちながらも、Zoho CRMはドラッグ&ドロップ中心でより手軽に調整できると整理されています。現場の担当者が「この項目を追加したい」「この画面の並びを変えたい」と思ったときに、自分たちでさっと直せるか、それとも専門知識のある人に頼む必要があるか。この差は、日々の運用のしやすさに直結します。
たとえば、見積書のフォーマットを少し変えたい、商談のステータスを自社の呼び方に合わせたい、といった細かな調整を繰り返しながら使うスタイルなら、ノーコードで動かせる仕組みが向いています。逆に、営業部・サポート部・マーケティング部をまたいで、全社共通のルールをきっちり設計して運用したいなら、作り込みに強いSalesforceの仕組みが生きてきます。情報システム担当がいる、あるいは外部の開発パートナーと継続的に伴走できる体制があるかどうかも、選ぶときの目安になります。
会社の規模でも向き・不向きがある
人数の少ない会社では、ライセンス費用の差がそのまま体感できる金額になります。数名から十数名の営業チームで、まずは顧客情報と商談をきちんと記録する場所がほしい、という段階であれば、月額を抑えながら機能を広げていけるプランが心強い味方になります。
一方で、社員数が数十名を超え、営業・サポート・マーケティングといった複数の部門が同じ顧客データを見ながら動くようになると、部門をまたいだ権限設計やデータ連携の複雑さが増していきます。全国に拠点があり、支店ごとにルールを統一したい、海外拠点とも情報を共有したい、といった規模感になると、大きな組織での導入実績が豊富なSalesforceの柔軟さが活きる場面が増えてきます。会社の規模がそのまま答えを決めるわけではありませんが、「今の人数」と「3年後に見込む人数」の両方で考えてみると判断しやすくなります。
こんな会社にはこちらが向く(具体例)
ここまでの内容を、具体的な場面に置き換えてみます。
- 営業担当が5人で、まずはExcelの顧客リストを卒業したい製造業の会社。初期費用をかけずに小さく始めたいなら、Zoho CRMの無料プランやスタンダードプランから試しやすい状況です。
- 見積書や請求書もシステムの中で作りたい、商社や卸売業の営業部門。Zoho CRMのプロフェッショナルプラン以上であれば、見積・請求の機能も含めて一つの画面で完結させやすくなります。
- 全国に支店があり、営業プロセスを本部主導で標準化したい中堅企業。部門をまたいだ権限設計や高度な自動化が必要なら、Salesforceの上位プランが選択肢に入ってきます。
- すでに社内に専任の情報システム担当がいて、独自の業務フローをシステムに反映させたい会社。作り込みの自由度を重視するなら、Salesforceのカスタマイズ性が強みになります。
まとめ
Zoho CRMとSalesforceは、顧客管理や商談管理といった基本機能では大きな差がありません。違いが出るのは、月額料金の水準、社内でどこまで自分たちの手で調整できるか、そして会社の規模や組織の複雑さです。費用を抑えながら現場主導で育てていきたい会社にはZoho CRMが、部門をまたいだ大きな仕組みを作り込みたい会社にはSalesforceが向いています。次回は、料金のより細かい内訳と、実際にかかる導入コストについて掘り下げていきます。
参考にした公式情報(2026年10月28日時点)
- 高い費用対効果を実現。Zoho CRMの費用・料金プラン
- Zoho CRM 料金プランと機能の一覧表
- Salesforce の代替ツール Zoho CRM とSalesforce Sales Cloud の比較・移行方法
- ZohoとSalesforceを徹底比較|料金・機能・長期コストで失敗しない選び方を解説
- Sales Cloudの営業支援ソフトウェア
- 中堅・中小企業向けSalesforce製品の価格設定:オールインワンのCRMソリューション
- Salesforce Sales Cloud料金|5プランと10・50・100人の総額
- 【2026年最新】Salesforceの価格・料金プランまとめ|選び方や他社ツールとの比較
- Zoho CRMの価格(料金・費用)を紹介
- SalesforceとZoho CRMを徹底比較|料金・機能・AI・使いやすさの違いと選び方
料金や機能は変更されることがあります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。
And Soは、大阪を拠点に中小企業のDXを支援しているZoho導入パートナーです。顧客管理や業務の仕組みづくりについて、「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。