弁護士事務所のタイムチャージ漏れを防ぐ案件管理
依頼者からの電話対応、裁判所への移動、別の案件の書面作成。一日の中でいくつもの案件を行き来している先生や事務員の方は多いと思う。気づけば夕方になり、今日どの案件にどれだけ時間を使ったか、記憶を頼りに入力することになる。実際より少なく書いてしまったり、そもそも入力し忘れたまま一日が終わってしまったりすることもあるのではないか。タイムチャージで請求している事務所にとって、この記録漏れはそのまま売上の目減りにつながる。
記録が漏れるのは、本人の怠慢ではない
タイムチャージの記録漏れが続くと、「もっと気をつけて書くように」と注意して終わってしまうことが多い。でも、現場で起きていることを見ていくと、個人の意識の問題というより、仕組みの問題であることがほとんどだ。
- 一日に複数の案件を掛け持ちしていて、切り替えのたびに記録が途切れる
- 電話での相談や立ち話程度の対応は「後でまとめて書けばいい」と後回しにしてしまう
- 記録する場所が紙のメモ、Excel、手帳、口頭報告とバラバラになっている
- 法廷や打ち合わせが続く日は、記録よりも目の前の仕事を優先せざるを得ない
こうした状況が重なると、1件あたり数分の記録漏れでも、1か月分、1年分で積み上がっていく。仕組みを変えない限り、同じことが繰り返される。
記録漏れが積み重なると起きること
ある弁護士が、電話相談に30分ほど対応したとする。その場ではメモを取らず、頭の中で覚えておくつもりでいた。ところが、その後に別の案件の書面作成が入り、気づけば夕方。月末に請求書を作成する段になって、「あの電話は何分くらいだったか」と記憶を辿ることになる。
事務員が各案件の請求をまとめようとすると、弁護士ごと、案件ごとに記録の残し方が違うため、集計に時間がかかる。数字が合わず、確認のために本人に聞き直すこともある。依頼者から「この時間は具体的に何をしていたのか」と問われたときに、根拠となる記録がすぐに出てこないと、説明に窮してしまう。
案件管理と時間記録がつながっていないと起きること
多くの事務所では、案件の進捗は案件管理台帳やExcelで追いかけ、作業時間は別のメモやタイムシートで記録している。この二つがつながっていないと、「この案件に今まで何時間使ったか」をすぐに把握できない。
進行中の案件が増えてくると、どの案件がどれくらいの時間を食っているのか見えにくくなる。本来であれば早めに請求額の見通しを依頼者に伝えられたはずの案件でも、気づいたときには想定より時間がかかっていた、ということも起きる。案件の情報と時間の記録が同じ場所にないと、こうしたズレに気づくのが遅れてしまう。
まず自社でできること
システムを導入する前に、事務所の中でできることもある。
- 記録するタイミングを決める(作業が終わった直後に書く、1日の終わりに必ず振り返る時間を作るなど)
- 記録する場所を一つに絞る。紙とExcelとメモ帳に分散させない
- 電話や立ち話など短い対応も、一言でいいのでその場でメモする
- 案件ごとに今までの合計時間がひと目で分かる状態にしておく
どれも地味なことだが、記録漏れの多くはこうした小さな習慣の積み重ねで減らせる。まずは今使っているExcelやノートの項目を見直すところから始めてみてもいいかもしれない。
Zohoなら
Zoho CRMを使うと、依頼者の情報と案件の進捗を一つの画面で管理できる。案件ごとに対応履歴を残していけば、「この依頼者に今まで何回連絡を取ったか」「どの案件が今どの段階か」がすぐに分かる状態になる。
さらにZoho Projectsを組み合わせると、案件ごとにタスクを作り、作業時間を記録できる。タイマー機能で作業の開始と終了を押すだけなので、記憶を頼りに後から入力する手間が減る。案件ごとの合計時間も自動で集計されるため、請求書を作る際にゼロから計算し直す必要がなくなる。
もちろん、すべてを一度にシステム化する必要はない。まずは記録する場所を一つに決めることから始めて、そこにツールを合わせていくくらいの気持ちで十分だと思う。
And Soは、大阪を拠点に中小企業のDXを支援しているZoho導入パートナーです。顧客管理や業務の仕組みづくりについて、「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。