司法書士事務所の登記案件管理 決済日から逆算するタスク管理
決済日の2日前になって、まだ必要書類が揃っていないことに気づく。司法書士から確認の電話が入り、関係者への連絡に追われる。手帳と付箋とExcelを行ったり来たりしながら、今どの案件が何待ちなのか頭の中で組み立て直す。そんな綱渡りを毎月繰り返している事務所は、決して少なくないはずです。
決済日はゴールではなく、逆算の起点
登記案件には必ず「決済日」という動かせない日付があります。不動産の売買なら買主と売主、金融機関、仲介会社の予定が全て揃う日です。この日が決まった瞬間、本来はそこから逆算して、いつまでに何を終わらせるかが決まるはずです。
ところが現場でよく起きているのは、決済日が近づいてから慌てて準備を始めるパターンです。決済日は「待っていれば来る日」ではなく、「そこから逆算して段取りを組む日」だと捉え直すだけで、見える景色が変わってきます。
Excelや紙の台帳で管理すると、どこでつまずくか
多くの事務所では、案件ごとの進捗をExcelの一覧表や紙の台帳で管理しています。それ自体は悪いことではありません。ただ、案件数が増えてくると、いくつかの壁にぶつかります。
- 決済日だけが書いてあって、そこに至るまでの中間締切が誰の頭の中にしかない
- 担当者が変わると、その人の感覚に頼っていた段取りが引き継げない
- 複数の案件が重なると、どれが今週の山場なのか一覧で把握しにくい
- 本人確認の日程や書類の到着状況を、別のファイルやメールで追いかけている
- 進捗の更新が後回しになり、台帳の記載と実際の状況がずれていく
一つひとつは小さな手間でも、案件が10件、20件と重なった月には、確認作業だけでかなりの時間を取られてしまいます。
決済日から逆算してタスクを組むとはどういうことか
例えば決済日が3月20日の不動産登記案件があるとします。ここから逆算すると、実際にはこのような流れになります。
- 決済日の3週間前:売主・買主双方の本人確認と意思確認の日程を調整する
- 決済日の2週間前:必要書類のリストを関係者に送り、取得状況を確認する
- 決済日の1週間前:権利証や印鑑証明など、届いた書類を一件ずつ突き合わせる
- 決済日の2〜3日前:法務局への事前相談や、金融機関との最終確認を済ませる
- 決済日当日:現地または金融機関で立ち会い、登記申請の準備を整える
この段取りは案件ごとに多少前後しますが、骨格は似通っています。だからこそ、決済日さえ入力すれば中間の締切が自動で割り出される仕組みがあると、担当者の記憶力や経験に頼らずに済みます。逆に、この骨格が個人の頭の中にしかないと、担当者が休んだ日に案件が止まってしまう、ということが起きます。
一人の事務所でも、複数担当の事務所でも起きること
所長一人で案件を回している事務所では、全体が見えている分、属人化していても大きな問題にはなりにくいかもしれません。ただし繁忙期に案件が集中すると、どの案件が何待ちなのか、本人も把握しきれなくなることがあります。
一方、補助者やパート事務員が複数人いる事務所では、案件ごとに担当が分かれるため、進捗の共有そのものが課題になります。
- Aさんが担当している案件の書類が揃ったかどうか、所長が確認するたびに声をかけている
- Bさんが休んだ日に限って、その人の案件の決済日が近づいている
- 誰がどの案件の何を待っているのか、週の初めに全員で確認し合う時間が発生する
こうした場面では、案件ごとのタスクと担当者、締切が一つの画面で見える状態を作ることが、口頭確認の手間を減らす一番の近道になります。
Zohoなら
決済日から逆算したタスク管理は、特別なシステムがなくても、Excelの関数で中間締切を自動計算する形から始められます。決済日のセルに日付を入れると、3週間前、2週間前といった日付が自動で表示されるようにしておくだけでも、確認の手間はかなり減ります。
この考え方をそのままアプリの形にできるのが、Zoho Creatorです。登記案件という独自の業務の流れに合わせて、決済日を入力すると本人確認・書類確認・法務局相談といった中間タスクと締切日が自動で並ぶ台帳を作ることができます。既存のExcelのやり方を土台にしながら、入力や確認を一つの画面にまとめられるのが特徴です。
複数担当者で案件を分担している事務所では、Zoho Projectsで案件ごとにタスクを割り振り、誰が何を待っているかを一覧で見られるようにする方法もあります。担当者ごとの負荷が偏っていないか、決済日が近い案件から順に確認できる状態を作ることで、週初めの確認ミーティングを短くできるかもしれません。
まずは今ある一覧表に、決済日から逆算した中間締切の列を一つ加えてみる。そこから、自分の事務所に合ったやり方を少しずつ試していくのがよいと思います。
And Soは、大阪を拠点に中小企業のDXを支援しているZoho導入パートナーです。顧客管理や業務の仕組みづくりについて、「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。