Zoho Surveyとは?30種類以上の質問形式とロジック、Delugeまで使えるアンケートツール

アンケートを取るだけなら、無料のフォームツールで足ります。
問題はその後です。「回答した人が誰なのかわからない」「集計はできるが、次のアクションに繋がらない」「答えにくい設問が並んでいて、途中で離脱される」。このあたりに引っかかると、せっかく集めたデータが使われないまま終わります。
Zoho Surveyは、この「取ったあと」まで設計されたアンケートツールです。この記事では、実際にどんなことができるのかを機能ベースで解説します。
※機能は変更されることがあります。本記事は2026年9月時点の公式サイトの情報をもとにしています。
Zoho Surveyとは

Zoho Surveyは、ゾーホーが提供するオンラインアンケート作成ツールです。ドラッグ&ドロップで設問を並べてアンケートを作り、配布し、集まった回答をリアルタイムで分析するまでを1つのサービスで完結できます。
Zohoの他製品と同様に、CRMやCampaigns、Analyticsとの連携が前提に設計されています。単体のフォームツールではなく、顧客データと繋がるアンケート基盤と捉えるのが実態に近いです。
質問形式が30種類以上ある
一般的なフォームツールとの最も分かりやすい違いが、設問の種類です。用意されている形式は30種類を超えます。
代表的なものを挙げます。
- NPS:0〜10のスケールで推奨度を測る。数字だけでなく顔文字、ボックス、円などの表現も選べる
- 星評価:3〜10個の範囲で星の数を設定でき、CSAT(顧客満足度)の測定に使われる
- 評価尺度(重み付き選択):選択肢ごとに重みを設定でき、その値は回答者に見せるかどうかを選べる
- マトリックス各種:単一回答、複数回答、評価尺度、星評価、ドロップダウン、テキスト欄、グリッド
- ランク付け:選択肢を好みの順に並べてもらう
- スライダー:0〜100の範囲。開始値・終了値・ステップ値を設定できる
- 画像選択:選択肢を画像で提示する。単一・複数・星評価の3形式
- 全体の合計:項目ごとに数値を入力してもらい、合計を自動表示する
- 署名:デジタル署名を取得する
- ファイルのアップロード:履歴書、写真、音声など回答者にファイルを添付してもらう
- 連絡先情報:氏名、年齢、地域などの定型項目をまとめて設置できる
マトリックス形式が充実しているのは、実務では大きいです。「サービスの5項目をそれぞれ5段階で評価してください」という設問を、5問並べるのではなく1つの表に収められます。設問数が減れば離脱率も下がります。
画像選択の星評価は、ロゴやパッケージのA/Bテストに使えます。ローカルの画像をアップロードするほか、画像URLの指定も可能です。
回答の質を上げる仕組み
設問の種類だけでなく、入力そのものを制御する機能も用意されています。
入力検証
短い回答では、正規表現やカスタム形式を指定して回答を検証できます。郵便番号、電話番号、IPアドレスといった形式の決まったデータを、確実な形で集められるということです。
数字の設問では最小値・最大値や小数点以下の桁数を設定でき、日時の設問では選択可能な範囲を制限できます(例:現在の日付の前後1週間のみ)。
排他的な選択肢
「上記のいずれでもない」を選んだら他の選択肢を無効にする、といった動きを設定できます。矛盾した回答が集まるのを防げます。
項目の暗号化
これは見落とされがちですが重要な機能です。特定の回答欄を暗号化して保存できます。氏名、電話番号、メールアドレスといった個人を特定できる情報を扱う場合、回答者に安心してもらえるだけでなく、自社のリスク管理としても意味があります。
ロジックで設問を出し分ける
紙のアンケートとの決定的な差がここです。
スキップロジック
回答内容に応じて、後続の質問を飛ばしたり変えたりできます。「サービスを利用したことがない」と答えた人に、利用時の満足度を聞いても意味がありません。
ページジャンプロジック
特定の回答をした人を、別のページへ誘導します。回答者の属性ごとに、まったく違う設問群を用意できます。
選択肢のフィルタリング
先の設問で選ばれた項目だけを、後の設問の選択肢として表示できます。「使ったことのある製品」を選んでもらい、次の設問ではその製品だけを評価してもらう、という流れが自然に作れます。
終了ページロジック
回答内容に応じて、表示する完了画面を変えられます。満足度が高かった人にはレビュー投稿への導線を、低かった人には個別対応のための連絡先を出す、といった出し分けが可能です。
回答者から見れば「自分に関係のある質問だけが出てくる」状態になります。これは回答率と回答品質の両方に効きます。
パイプ処理で会話のようにする
パイプ処理は、先行する回答を後続の設問文に差し込む機能です。
たとえば「最もよく使う機能」で「レポート機能」を選んだ人に対して、次の設問を「レポート機能のどの点に満足していますか」と表示できます。設問文が回答者ごとに変わるため、対話しているような体験になります。
あわせて、カスタム変数と自動入力の機能があります。メールアドレスや顧客IDをあらかじめアンケートに埋め込んでおけば、回答者に入力させずに、誰の回答かを特定できます。「回答した人が誰なのかわからない」という冒頭の問題は、ここで解決します。
スコアリングで回答を点数化する
設問の回答に点数を割り当て、合計スコアを算出できます。
社内テストや適性診断はもちろん、リードの優先度判定にも使えます。「予算」「導入時期」「決裁権」の回答を点数化し、一定以上のスコアの人だけ営業に回す、といった運用が組めます。
見た目を自社ブランドに合わせる
- テーマのカスタマイズ、ロゴのアップロード
- ホワイトラベリング(Zohoのブランド表示を消す)
- カスタムドメインでのアンケート公開
- カスタム終了ページ
顧客向けのアンケートで、他社ツールの名前が入ったURLを送るのは避けたい場面があります。独自ドメインで配布できるのは、対外的な調査を行う場合の実務的な要件になります。
多言語にも対応しており、30種類以上の言語にアンケートを翻訳できます。海外拠点や訪日客向けの調査でも使えます。
配布方法が幅広い
集める手段は目的によって変えられます。
- Webリンク、カスタムドメインリンク
- プライベートグループへのアクセス(限定公開)
- メール配信
- SNSへの投稿
- QRコード
- Webサイトへの埋め込み
- オフラインでの回答収集
最後のオフライン収集は、モバイルアプリを使って通信環境のない場所でも回答を集められる機能です。展示会場、店舗、屋外イベントなど、Wi-Fiが不安定な現場でそのまま使えます。iOSアプリでもファイルアップロードの設問に対応しています。
紙で集めて後からExcelに手入力する、という工程を丸ごと消せる可能性があります。
不正な回答を防ぐ
- パスワード保護
- 複数回答の防止
- CAPTCHA
- SSL認証
社内向けや会員限定の調査では、パスワード保護と重複回答の防止が効きます。キャンペーンの応募フォームとして使う場合は、CAPTCHAも合わせて設定しておくと安全です。
レポートで分析する

回答はリアルタイムでレポートに反映されます。用意されている分析機能は次の通りです。
- 回答のフィルター処理:条件を指定して特定の層だけを抽出する
- カスタムレポート:必要な項目だけを組み合わせる
- トレンドレポート:時系列での変化を追う
- クロスタブレポート:2つの設問を掛け合わせて集計する
- レポートの共有・予約送信:定期的に関係者へ自動配信できる
- 複数形式でのエクスポート
クロスタブは実務でよく使います。「満足度が低い層は、どの機能を主に使っているか」といった掛け合わせの分析ができ、単純な集計では見えない傾向が出てきます。
さらに深い分析が必要なら、Zoho Analyticsと連携させる方法もあります。
通知とトリガー
回答が入ったタイミングで動かせる仕組みも揃っています。
- 回答完了時に、回答者へお礼のメールを自動送信する
- 回答があった瞬間に、担当者へリアルタイムでアラートを飛ばす
- 回答内容に応じて、送信するメールの内容を変える
- レポートを予約して定期的に送信する
「満足度が2以下の回答が入ったら、即座に責任者へ通知する」といった運用が組めます。クレームの兆候を翌月の集計で知るのでは遅すぎますから、この即時性には価値があります。
開発者向けの拡張
ここからは少しニッチな話です。Zoho Surveyは、標準機能の範囲を超えたカスタマイズにも対応しています。
JavaScriptとDelugeによるカスタムスクリプト条件
アンケートロジックの代替として、JavaScriptまたはDelugeのコードスニペットで条件を記述できます。
- JavaScript:質問表示、回答表示、ページスキップ、終了ページ、メールトリガーのロジック
- Deluge:アンケート終了ページやメールトリガーの条件
さらに、終了ページや対象判定ページ、設問ロジック内でスクリプトを使い、メッセージの変更、リダイレクトURLの設定、動的パラメーターの利用、終了時のメール送信といった処理を実装できます。
標準のロジック設定では表現できない複雑な条件分岐も、コードで解決できるということです。Zoho CRMでDelugeを書ける人であれば、同じ言語がそのまま使えます。
URLコールバック通知(Webhook)
回答が送信されたタイミングで外部システムへ通知を飛ばせます。自社システムへの取り込みや、他サービスとの連携の起点になります。
REST APIによるメール配信
外部アプリケーションからZoho SurveyのREST APIを使って、任意のメールアドレス宛にアンケート招待を自動送信できます。送信タイミングや有効期限の設定も可能です。
これにより、「自社システムで特定の条件を満たした顧客に、自動でアンケートを送る」という仕組みが組めます。手動で対象者リストを作ってアップロードする運用から抜け出せます。
他サービスとの連携
Zoho製品では、CRM(回答内容を顧客レコードに登録し、PDFを添付する)、Campaigns(メルマガ配信時に名前やカスタム項目を自動入力)、Analytics(高度な分析)、Recruit、Zoho Sheetなどと連携できます。
外部サービスでは、Googleスプレッドシート、Tableau、Zapier、Shopify、Zendesk、Eventbriteなどに対応しています。
CRM連携が特に実用的で、アンケートの回答を顧客データに紐づけて蓄積できます。「この顧客は半年前の調査でこう答えていた」という情報が営業の手元に残るわけです。単発の調査で終わらせず、顧客理解の資産にできます。
まとめ
- 質問形式は30種類以上。NPS、マトリックス各種、署名、ファイルアップロードなどに対応
- 正規表現による入力検証、排他的な選択肢、項目の暗号化で回答の質と安全性を担保できる
- スキップ・ページジャンプ・終了ページの各ロジックで、回答者ごとに出し分けられる
- パイプ処理と自動入力により、対話的なアンケートと回答者の特定が両立する
- オフライン収集に対応。展示会や店舗でそのまま使える
- クロスタブやトレンドレポートで、単純集計では見えない傾向を追える
- JavaScriptとDelugeでロジックを記述でき、Webhookとメール配信APIで外部システムと繋がる
なお、機能によって利用できるプランが異なります。パイプ処理、ホワイトラベル、カスタムスクリプト条件、CRM連携などは上位プランの機能になるため、必要な機能が使えるかどうかは評価版で確認してください。
AndSoでは、Zoho Surveyの設計から、CRMと連携した顧客フィードバックの蓄積、Delugeやスクリプトを使った独自ロジックの実装までを承っています。「アンケートは取っているが、集計して終わりになっている」という段階からご相談ください。