Zoho Bookingsとは?日程調整の往復をなくす予約システムの機能を解説

2026年06月07日

「来週でしたら火曜の午後か、木曜の午前が空いております」

このメールを書いて、返信を待って、埋まっていたのでまた候補を出し直す。1件の打ち合わせを設定するのに、メールが4往復することも珍しくありません。

しかも社内で複数人が関わると、全員のカレンダーを見比べる作業が加わります。予定を押さえたつもりが二重予約になっていた、という事故も起きます。

Zoho Bookingsは、この往復そのものをなくすための予約管理ツールです。相手に空き状況を見せて、直接選んでもらう。それだけのことですが、実際に導入すると担当者の時間の使い方が変わります。この記事では、実際にどんなことができるのかを機能ベースで解説します。

※機能は変更されることがあります。本記事は2026年9月時点の公式サイトの情報をもとにしています。

Zoho Bookingsとは

Zoho Bookingsは、ゾーホーが提供するオンライン予約スケジュール管理ツールです。自社の空き状況を公開した予約ページを用意し、顧客や候補者に自分で日時を選んでもらう仕組みを作れます。

使い方の流れは3段階です。対応可能な時間を設定してカレンダーを同期する、予約ページのリンクを共有する、相手が空いている時間を選んで予約する。これだけです。

Zohoの他製品と同様にCRMとの連携が前提に設計されており、予約が入った時点で見込み客として取り込む使い方ができます。

4種類の予約タイプ

用途に応じて予約の形式を選べます。ここが単純な日程調整ツールとの違いです。

個別

1対1の予約です。営業の初回商談、面談、個別相談など、最も基本的な形式になります。

集団

複数のホストが1人の顧客に対応する形式です。営業担当と技術担当が同席する商談、複数の面接官が参加する採用面接などが該当します。関係者全員の空きを突き合わせる作業が不要になります。

グループ

1人のホストが複数の参加者に対応する形式です。ワークショップ、セミナー、教室のようなセッションを企画する場合に使います。定員を設けて参加者を募る運用ができます。

リソース

会議室や機材といった設備そのものを予約対象にできます(別途購入が必要です)。人ではなくモノの空き状況を管理したい場合の選択肢です。

自社の予約が「人」なのか「モノ」なのか、「1対1」なのか「1対多」なのか。この整理をしてから設計に入ると、無駄がありません。

チームの予定調整

複数のスタッフがいる場合、2つの割り当て方を選べます。

  • 顧客が担当スタッフを指名する
  • 空いているスタッフを自動で割り当てる

美容室やクリニックのように「指名」が意味を持つ業種なら前者、コールセンターや一次受付のように誰が対応しても構わない業務なら後者が向いています。

チーム全体の空き状況を1つのページで共有できるため、「誰が空いているか」を社内で確認する手間もなくなります。

予約ルールで運用を守る

現場の運用に合わせた制約を設定できます。

  • キャンセルウィンドウ:直前のキャンセルを制限する
  • 予約間隔:予約と予約の間に余白を入れ、連続で詰まらないようにする
  • タイムゾーンの事前設定

このうち予約間隔は実務で効きます。移動時間や記録を書く時間を確保できていないと、セルフ予約は「隙間なく埋まって疲弊する」結果になります。ルールを先に決めておくことが、この仕組みを継続させる条件です。

タイムゾーンについては、予約者の場所に基づいて自動変換されます。言語も同様に変換されるため、海外の顧客とやり取りする場合でも時差の計算ミスが起きません。

カレンダー同期で二重予約を防ぐ

Googleカレンダー、Outlookカレンダー、Zoho Calendarと双方向で同期できます。

双方向という点が重要です。Bookings側の予約がカレンダーに入るだけでなく、カレンダー側に入れた予定の時間帯は予約ページ上で埋まった扱いになります。社内会議を入れた直後に、そこへ客先の予約が入る、という事故を防げます。

オンライン会議のリンクを自動生成する

Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Zoho Meetingと連携でき、予約が確定した時点で会議リンクが自動生成されます。

担当者がミーティングURLを発行して、確認メールに貼り付けて送る。この一連の作業が消えます。

Zoho Assistとの連携では、予約時にリモートサポートのセッションリンクが自動生成されます。サポート業務で使う場合はこちらが便利です。

通知とリマインダーで無断キャンセルを減らす

メールとSMSで自動リマインダーを送信できます。1つの予約に対して、内容の異なるリマインダーを最大3種類まで 設定できます。

「予約直後の確認」「前日のリマインド」「当日の案内」といった段階的な通知を組めるということです。無断キャンセルの多くは悪意ではなく単純な失念なので、この積み重ねが効きます。

通知メールの文面はカスタマイズできるため、自社の言葉遣いに合わせられます。

事前決済に対応する

予約時に、預り金または全額の前払いを回収できます。決済プロバイダーと連携して実現します。

有料相談やレッスンを提供している場合、事前決済にはキャンセル抑止の効果もあります。支払い済みの予定は、無断でキャンセルされにくくなります。

顧客が自分の予約を管理する

カスタマーポータルの機能があり、顧客が登録して自分の予約を追跡できます。

日時変更やキャンセルを顧客自身で行えるようになると、「変更したいのですが」という連絡への対応がなくなります。予約数が増えるほど、この差は大きくなります。

予約ページを自社のものにする

  • ロゴの追加、テーマ・レイアウト・配色の切り替え
  • ホワイトラベル(Zoho Bookingsのブランド表示を削除)
  • カスタムドメイン(自社ドメインで予約URLをホストする)

顧客に送る予約リンクが他社サービスのドメインだと、それだけで印象が変わる場面があります。特にBtoBや士業のように信頼が前提の業種では、独自ドメインで出せる意味は小さくありません。

ワークスペースで拠点・部門を分ける

ワークスペースは、場所や部門ごとに予定の種類をグループ化する仕組みです。

「東京オフィスの商談」「大阪オフィスの商談」「オンライン相談」を別々の枠組みとして管理し、それぞれに異なるスタッフ、サービス、予約ルールを設定できます。複数拠点や複数事業を持つ会社では、この単位で設計することになります。

レポートで数字を見る

2種類のレポートを作成できます。

  • 予約レポート:予約の状況をカスタマイズして集計する
  • 収益レポート:予約と売上を紐づけて集計する

「どのサービスの予約が多いか」「どのスタッフに集中しているか」「キャンセル率はどの程度か」といった数字が取れます。感覚で回していた予約業務を、改善の対象にできるということです。

開発者視点での拡張

ここからは少しニッチな話です。

カスタムワークフロー

Zoho Bookingsには、スクリプトビルダーによってカスタムワークフローを構築する機能があります。標準のメール通知やSMS通知だけでは表現できない処理を、コードで組めるということです。

メールワークフローとSMSワークフロー

予約されたイベントや任意の条件をトリガーにして、通知の内容や送信タイミングを設計できます。単なる定型リマインダーではなく、「初回予約の人にはこの案内」「リピーターにはこの案内」といった出し分けが可能です。

Zoho FlowとZapier

いずれも850を超えるアプリと連携できます。Zoho Bookingsの予約を起点に、社内システムやチャットツールを動かす構成が組めます。

Zoho SalesIQ連携

Webサイトのライブチャットから予約を受け付けられます。チャットで会話した流れのまま日程を押さえてもらえるため、離脱が減ります。Webサイトを持っている会社なら検討する価値があります。

Zoho CRM・Bigin連携

予約の情報を顧客データと同期できます。予約が入った時点で見込み客としてCRMに取り込み、商談へ繋げる流れが作れます。

どんな場面で使えるか

公式サイトでは、営業の初回商談、プロフェッショナルサービス、採用面接、学校・研究施設、医療といった領域が挙げられています。

このうち採用面接は分かりやすい例です。候補者ごとにメールで日程を調整していると、応募が増えた瞬間に人事が回らなくなります。面接官の空き状況を候補者に見せて選んでもらう形にすれば、1クリックで済みます。

営業でも同様で、問い合わせフォームの完了画面に予約リンクを置いておけば、「後日日程を調整します」という一手間を挟まずに商談を確定できます。熱量が高いうちに日程を押さえられるかどうかは、成約率に直結します。

まとめ

  • 予約タイプは個別・集団・グループ・リソースの4種類。人だけでなく設備の予約にも対応
  • チームの予定調整では、スタッフの指名と自動割り当てを選べる
  • カレンダーは双方向同期。社内予定の時間帯は自動的に埋まった扱いになる
  • Zoom、Meet、Teams、Zoho Meetingの会議リンクを自動生成できる
  • 1つの予約に対して最大3種類のリマインダーを送信でき、無断キャンセルを減らせる
  • 事前決済、カスタマーポータル、ホワイトラベル、カスタムドメインに対応
  • スクリプトビルダーによるカスタムワークフロー、Zoho FlowとZapierで外部システムと繋がる
  • SalesIQ連携でWebチャットから、CRM連携で予約を商談に繋げられる

なお、機能によって利用できるプランが異なります。ホワイトラベル、カスタムドメイン、オンライン決済、グループ・リソース予約などは上位プランの機能になるため、必要な機能が使えるかどうかは評価版で確認してください。Zoho Oneを契約している場合は、Zoho Bookingsのプレミアムプラン相当の機能が利用できます。

AndSoでは、Zoho Bookingsの導入設計から、Webサイトへの予約導線の実装、CRMやSalesIQと組み合わせた仕組み作りまでを承っています。「日程調整のメールに時間を取られている」という段階からご相談ください。

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