Zoho Desk×Claude連携|問い合わせメールの返信文をAIが自動で下書きする仕組み

2026年10月20日

毎日届く問い合わせメール。1通ずつ内容を読んで、定型文を探して、宛名や注文番号を差し替えて……と、返信文を作る作業は意外と時間がかかります。

今回And Soでは、Zoho DeskとAnthropic社のAI「Claude」を連携させ、問い合わせメールが届いた時点で返信文の下書きを自動で作成する仕組みを構築・検証しました。この記事では、その仕組みでどんなことができるのかをご紹介します。

問い合わせ対応で、こんなお悩みはありませんか

  • 1日に何十件も届くメールの返信文作成に時間を取られている
  • 担当者によって返信の言い回しや丁寧さにばらつきがある
  • 定型文はあるものの、毎回コピーして書き換えるのが手間
  • AIで自動返信したいが、間違った内容をそのまま送ってしまうのは怖い

特に最後の「自動で送信されるのは不安」という声は多く聞かれます。今回の仕組みは、AIに任せるのは下書きまで、送信は必ず人が確認してから、という設計にしているのが大きな特徴です。

Zoho Desk×Claudeでできること

メールが届くと、返信文の下書きが自動で完成

お客様からのメールがZoho Deskに届くと、Claudeがメールの内容を読み取り、返信文を作成して、問い合わせの画面に「下書き」として保存します。検証では、メールの受信から1分ほどで下書きが入っていました。

担当者は問い合わせを開くだけで、すでに返信文が用意されている状態から作業を始められます。

送信前で止まるので、最終確認は人が行う

作成された返信文は、あくまで下書きです。担当者が内容を確認し、必要に応じて修正してから送信します。AIの判断だけでお客様にメールが送られることはないため、誤った案内をしてしまうリスクを抑えられます。

自社の定型文をベースに、問い合わせ内容に合わせて調整

Claudeには、あらかじめ自社で使っている定型文(配送状況の確認、キャンセル、返品・交換、領収書の発行など)を覚えさせておきます。メールが届くと、最も近い定型文を選び、お客様が書いた注文番号や日付、状況などを反映した文章に整えてくれます。

ゼロからAIに書かせるのではなく、普段の対応ルールに沿った返信になるのがポイントです。

分からないことは断定せず「要確認」として残す

在庫や発送日、返金額など、メールの内容だけでは判断できない事項は、AIが勝手に答えを作らず「【要確認:発送状況】」のように印を付けて残します。担当者はその部分だけを確認して埋めればよいので、確認漏れも防げます。

実際の動作イメージ

検証では、定型文にない「卸売りの相談」のメールを送ってみました。

届いたメール(要約)

店舗で商品を取り扱いたいので、卸価格や最低ロットを教えてほしい、という内容。署名には担当者名と会社名が記載されている。

自動で作成された下書き(要約)

  • 冒頭に「【要確認:定型外の問い合わせ】」と表示し、定型文にない内容であることを担当者に知らせる
  • お客様の登録名とメールの署名が異なっていることに気づき、「【要確認:お名前】」として確認を促す
  • 卸価格や最低ロットは断定せず、担当部署から改めて連絡する旨を丁寧に伝える
  • 希望の商品名や想定数量など、次のやり取りに必要な情報をあわせて聞き返す

定型文にない問い合わせでも、失礼のない受付の返信が用意され、どこを確認すべきかがひと目で分かる状態になっていました。

なぜClaudeを組み合わせるのか

自然な日本語と丁寧な敬語

問い合わせ対応では、内容の正しさと同じくらい、言葉づかいが大切です。Claudeは日本語の文章力が高く、お詫びや感謝の表現も含めて、そのまま使える自然なビジネス敬語で返信文を作成できます。

メールの文脈を読み取る力

単にキーワードで定型文を選ぶのではなく、メール全体の流れを理解したうえで返信を組み立てます。先ほどの例のように、登録名と署名の食い違いといった細かな点に気づけるのも、文脈を読み取れるからこそです。

Zoho標準のAI機能との使い分け

Zoho DeskにもAIアシスタント「Zia」が搭載されており、返信案の作成機能があります。ただし、メール受信時に自動で下書きを作る機能などは、現時点では日本の環境や日本語での利用に制約があります。今回のように日本語の問い合わせを自動で下書きまで進めたい場合は、Claudeを組み合わせる方法が有効でした。

導入までの流れ

  1. ヒアリング:問い合わせの件数や種類、現在の対応フローを伺います
  2. 定型文の整理:よくある問い合わせと、その返信文をまとめます
  3. 検証:実際のメールに近い内容でテストし、返信文の質を調整します
  4. 本番運用:対象とするメールの条件を決めて運用を開始します

下書きの質を大きく左右するのは、2の定型文の整理です。普段の対応ルールをしっかりAIに伝えることで、より実務に沿った返信文が作られるようになります。

導入時に押さえておきたいポイント

お客様の情報の取り扱い

問い合わせ内容をAIで処理するため、社内の情報管理ルールとの確認が必要です。なお、Claudeを提供するAnthropic社は、法人向けのAPIで送られた入力や出力を、初期設定ではAIの学習に使わないと公表しています。

対象にするメールの絞り込み

自動通知メールや迷惑メールまで下書きを作る必要はありません。送信元や件名などの条件で、返信が必要な問い合わせだけを対象にするのがおすすめです。

ご利用中のZoho Deskの環境

ご契約中の内容によって、利用できる自動化の機能が異なります。現在の環境で実現できるかどうかも含めて、事前に確認いたします。

まとめ

Zoho DeskとClaudeを連携させることで、問い合わせメールが届いた時点で返信文の下書きが自動で用意され、担当者は確認と送信に集中できるようになります。送信前で必ず人が確認する設計のため、AIを業務に取り入れる最初の一歩としても安心してお使いいただけます。

「問い合わせ対応の手間を減らしたい」「Zoho DeskでAIを活用してみたい」とお考えの方は、お気軽にAnd Soまでご相談ください。

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