Zoho CRMとは?できること・料金・CRM Plusとの違いを開発会社が解説

2026年04月01日

「顧客リストはExcel、商談の経緯は担当者のメールボックス、見積書は共有フォルダのどこか」

CRMの導入を検討される会社さまとお話しすると、ほぼ必ずこの状態から相談が始まります。情報が散らばっているせいで、担当者が休むと状況が誰にもわからない。過去にどんなやり取りをしたか探すのに30分かかる。よくある話です。

その解決策としてよく候補に挙がるのが「Zoho CRM」です。ただ、調べ始めると「Zoho CRM」「Zoho CRM Plus」「Zoho One」と似た名前が並んでいて、そこで手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Zoho CRMとは何か、できること、料金、そしてCRM Plusとの違いまでを整理して解説します。あわせて、実際に構築を請け負っている立場から「プラン選びでつまずきやすいポイント」もお伝えします。

※料金や機能は変更されることがあります。本記事は2026年9月時点の公式サイトの情報をもとにしています。契約前には必ず最新の公式情報をご確認ください。

そもそもCRMとは?

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では顧客関係管理と訳されます。顧客と良好な関係を築き、継続的な取引につなげるための手法、およびそれを実現するためのツールを指します。

よく似た言葉に「SFA(Sales Force Automation/営業支援)」があります。ざっくり分けると、

  • CRM:顧客そのものを管理する。誰が、どんな会社で、これまでどんなやり取りをしてきたか
  • SFA:営業活動を管理する。どの案件が、いまどの段階で、いくらで、いつ決まりそうか

という違いです。ただし実際の製品はこの2つを兼ねているものがほとんどで、Zoho CRMも例外ではありません。名前は「CRM」ですが、中身はCRMとSFAの両方をカバーしています。

Zoho CRMとは

Zoho CRMは、ゾーホージャパン株式会社が提供するクラウド型の顧客管理・営業支援ツールです。公式サイトによると、世界30万社以上が導入しています。

特徴的なのは、Zohoという会社そのものの成り立ちです。Zohoは、CRMだけでなく、会計、メール、プロジェクト管理、ヘルプデスク、BI・分析といった業務アプリを軒並み自社開発しています。CRMはその主力製品という位置づけで、同じ会社が作った他のアプリと最初からつながる前提で設計されています。

「まずCRMを入れて、あとから問い合わせ管理やメルマガ配信も追加したい」という広がり方をしたときに、ツール間の連携で消耗しにくいのは、この製品群の作り方によるところが大きいです。

Zoho CRMでできること

機能一覧を眺めても実感が湧きにくいので、営業の流れに沿って並べてみます。

1. 見込み客を集める

Webサイトに問い合わせフォームを設置し、送信された内容をそのままCRMに見込み客として登録できます。フォームからスプレッドシートに転記する作業がなくなります。

2. 顧客・取引先を一元管理する

会社情報、担当者、過去のやり取り、添付ファイルまでを1つの画面にまとめられます。「あの案件どうなってましたっけ」を担当者に聞かなくて済む状態がゴールです。

3. 商談・案件を進捗で管理する

案件を「初回接触」「提案中」「見積提出」「受注」といった段階で管理します。いまパイプラインにいくら分の案件が積まれているかが見えるようになり、売上予測も立てられます。

4. メール・電話の履歴を紐づける

送受信したメールを顧客レコードに自動で紐づけられます。担当者の個人メールボックスにしか履歴がない、という状態を解消できます。

5. 定型作業を自動化する

ワークフロー機能で「商談のステータスが受注に変わったら、担当者にタスクを自動作成する」といった処理を、プログラムを書かずに設定できます。

6. レポート・ダッシュボードで可視化する

担当者別の受注件数、月次の売上推移、失注理由の内訳などをグラフで表示できます。入力したデータが数字として返ってくるので、現場に入力してもらう動機づけにもなります。

7. AIアシスタント「Zia」を使う

上位プランでは、商談の受注確度予測やデータの異常検知など、AIによる支援機能が利用できます。

Zoho CRMの料金プラン

Zoho CRMには4つの有償プランと、3ユーザーまで永久に無料で使える無料プランがあります。初期費用やオプション費用は発生しません。

プラン月額(1ユーザーあたり・税抜)主に追加される機能
無料0円(3ユーザーまで)基本的な顧客管理
スタンダード1,760円一括メール送信、ワークフロー、売上予測、キャンバス
プロフェッショナル3,260円ブループリント、CPQ、Webhook、在庫管理、入力規則
エンタープライズ5,660円Zia、カスタム関数、クライアントスクリプト、ページレイアウト、承認プロセス、サンドボックス
アルティメット7,360円各種上限の拡張、より高度な分析・AI機能

料金プランは月間契約と年間契約から選べ、年間契約のほうが割安になります。公式サイトでは最大34%オフと案内されています。

また、15日間は有料プランの全機能を無料で試せます。トライアル終了後はアカウントが自動的に無料プランへ移行するため、放置して課金される心配がない点も安心です。

なお、日本語のサポート窓口は有料プラン(スタンダード以上)の契約者が無料で利用できます。

Zoho CRMとZoho CRM Plusの違い

ここが一番混乱しやすいところです。結論から言うと、Zoho CRM Plusは「Zoho CRMを含む15製品のセット商品」 です。CRMの上位版という意味ではありません。

CRM Plusに含まれる15製品

Zoho CRM(CRM/SFA)に加えて、次の製品が使い放題になります。

  • Zoho Desk(カスタマーサポート・問い合わせ管理)
  • Zoho Analytics(BI・分析)
  • Zoho Projects(プロジェクト管理)
  • Zoho WorkDrive(ファイル共有)
  • Zoho SalesIQ(Web接客・訪問者トラッキング)
  • Zoho Survey(アンケート)
  • Zoho Marketing Automation(MA)
  • Zoho Campaigns(メール配信)
  • Zoho LandingPage(LP制作・管理)
  • Zoho PageSense(アクセス解析)
  • Zoho Social(SNS管理)
  • Zoho Meeting(ウェビナー)
  • Zoho Backstage(イベント)
  • Zoho Cliq(チャット)
料金の違い

CRM Plusは1ユーザーあたり月額8,070円(年間払い)、月間契約の場合は9,770円です(いずれも税抜)。初期費用や追加費用は発生せず、30日間の無料トライアルが用意されています。

どちらを選ぶべきか

判断軸はシンプルで、「営業部門だけの話か、それとも部門をまたぐ話か」 です。

Zoho CRM単体が向いているケース

  • 課題が営業まわりに閉じている(顧客管理と案件管理ができれば十分)
  • 使うのは営業部門中心
  • メール配信やサポート管理は既存ツールで足りている

Zoho CRM Plusが向いているケース

  • マーケティング・営業・サポートで顧客情報を共有したい
  • 問い合わせ管理やメルマガ配信のツールを別途契約している、または今後必要になる
  • 部門ごとにバラバラのツールを契約していて、請求も管理も煩雑になっている

すでにMAツールやヘルプデスクツールを別々に契約しているのであれば、それらをCRM Plusに寄せたほうが総額が下がるケースは珍しくありません。逆に、当面は営業の可視化だけが目的なら、CRM単体で始めて必要になった製品を後から足していく進め方でも問題ありません。

ちなみにZoho Oneは

さらに上に「Zoho One」というパッケージもあります。こちらは会計、人事、グループウェアまで含めた45以上のアプリを対象にしたもので、「Zohoで全社の業務基盤をまるごと作る」という選択肢です。CRM Plusが顧客対応部門向けのセットなのに対し、Zoho Oneは全社向けのセットだと捉えるとわかりやすいと思います。

見落とされがちな、プラン選びの落とし穴

ここからは、実際に構築を請け負う立場からのお話です。

料金表を見ると、多くの方は「まずは安いスタンダードから」と考えます。判断としては自然です。ただし、将来的にカスタマイズや開発を伴う運用を想定している場合、この選び方は後で効いてきます。

先ほどの料金表をもう一度見てください。開発まわりの機能は、プランごとに入り方が分かれています。

  • キャンバス(画面デザインの作り込み)……スタンダードから
  • Webhook(外部システムへの通知)……プロフェッショナルから
  • カスタム関数(Delugeによる独自処理の実装)……エンタープライズから
  • クライアントスクリプト(画面上の挙動の制御)……エンタープライズから
  • サンドボックス(本番に影響を与えずに検証する環境)……エンタープライズから

つまり、「入力内容に応じて自動で別の処理を走らせたい」「他システムとデータを同期したい」「独自の画面挙動を作りたい」といった要望が出てきた時点で、実質的にエンタープライズが下限になります。

安いプランで契約したあと、やりたいことが出てきて結局アップグレードする、という流れは非常によくあります。プラン変更自体は契約途中でもできるので致命傷にはなりませんが、最初の設計段階で「1年後にどこまでやりたいか」を決めておくと、無駄な作り直しを避けられます。

補足として、CRM Plusに含まれるZoho CRMは、公式の機能一覧を見るとカスタム関数、ウィジェット、サンドボックス、ページレイアウト、承認プロセスなどが利用対象に入っており、上位プラン相当の開発機能が使える構成になっています。CRM Plusを検討されている場合は、この点も判断材料になります。ただし個別の機能が対象に含まれるかは変更される可能性があるため、開発前提であれば契約前に必ず評価版で確認してください。

Zoho CRMが向いている会社・向いていない会社

正直なところをお伝えします。

向いている

  • 中小企業で、コストを抑えつつ本格的なCRMを導入したい
  • 自社の業務に合わせて画面や項目を作り込みたい
  • 将来的にマーケティングやサポートまでツールを広げる可能性がある

向いていない、または注意が必要

  • 業界特化の既製パッケージをそのまま使いたい(Zohoは作り込む前提のツールです)
  • 社内に運用の旗振り役を置けない(誰も入力しないCRMは、どの製品を選んでも機能しません)
  • 導入して即日で成果を出したい(設計と定着には相応の時間がかかります)

3つ目は特に大事です。CRMの失敗の大半は、ツールの機能ではなく「何のために何を入力するのか」が決まっていないことに起因します。

まとめ

  • Zoho CRMは、世界30万社以上が導入するクラウド型のCRM/SFAツール
  • 有償プランは月額1,760円から。3ユーザーまでの無料プランと15日間のトライアルもある
  • Zoho CRM Plusは上位版ではなく、CRMを含む15製品のセット。部門をまたいで顧客情報を扱うなら候補になる
  • カスタマイズや開発を前提にするなら、エンタープライズ以上が実質的な下限

まずは無料トライアルで実際の画面に触れてみるのが一番早いです。そのうえで「自社の業務に合わせてどう作り込むか」で迷われたら、そこはぜひご相談ください。AndSoでは、Zoho CRMの構築・カスタマイズから、Delugeやウィジェットを使った独自機能の開発までを承っています。

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