卸売業の在庫管理、Excelの限界と可視化のヒント

2026年03月31日

朝一番でやることが、昨日の受注をExcelに転記することになっていないでしょうか。営業からの電話で在庫を確認し、倉庫の担当者に聞きに行き、月末には在庫表と売上表の数字が合わなくて残業する。そんな毎日を送っている担当者の方に向けて、この記事を書いています。

卸売業の現場で起きていること

在庫表が3つある会社の話

ある卸売業の会社では、在庫の数字が3か所にありました。倉庫担当者が手書きで記録している紙の台帳、経理が使っている売上管理用のExcel、営業がお客さんに答えるために自分で作っている在庫メモです。3つの数字は、たいてい微妙にずれています。誰かが多めに数えていたり、出荷済みなのに引き算し忘れていたり。締め日になると、この3つを見比べて「本当はいくつあるのか」を確認する作業が発生します。これは特別なことではなく、Excelで在庫を管理している卸売業では、よくある光景です。

受発注の情報が電話とFAXで動いている

お客さんから注文が入ると、まず紙かFAXで受け取ります。それを担当者がExcelに打ち込みます。在庫があるかどうかは、別のシートを開いて確認します。足りなければ仕入先に電話をして、届いたらまた別のシートに入力します。この一連の流れの中で、同じ品番や数量を何度も手で入力し直すことになります。入力のたびにミスが起きる可能性があり、実際に「1と入れたつもりが10になっていた」というようなことも起きます。誰かが悪いわけではなく、仕組みとして数字がずれやすい作りになっているだけです。

Excel管理の限界は「見えない」ことにある

Excelそのものが悪いわけではありません。むしろ多くの会社を支えてきた便利な道具です。ただ、卸売業のように在庫と受発注が同時に動く業務では、Excelには苦手なことがあります。

誰かが見ている間は、他の人が見られない

ファイルを開いている人がいると、他の人は編集できません。共有フォルダに置いていても、同時に触ると片方の変更が消えてしまうことがあります。結果、コピーを作って別々に更新し、後で合わせるという作業が発生します。

今の状態が、今すぐわからない

在庫が今いくつあるのか、注文がどこまで進んでいるのか。それを知るには、誰かに聞くか、ファイルを開いて確認するしかありません。営業がお客さんと電話しながら「ちょっと待ってください、確認します」と言う場面は、まさにこれが原因です。

可視化するとは、数字を1か所にまとめること

在庫と受発注を可視化するというのは、難しい分析をすることではありません。まず、バラバラになっている数字を1つの場所にまとめることです。倉庫の在庫、営業が受けた注文、仕入先への発注。これらが1つの画面でつながっていれば、電話で確認する手間も、転記のミスも減っていきます。さらに、今どの注文がどの段階にあるのか、在庫がどれだけ減っているのかが、見た人にすぐわかる状態を作ることです。専任の情報システム担当者がいない会社でも、まずは「どの数字が、どこにいくつあるか」を書き出してみることから始められます。それだけでも、どこに無駄な二重入力があるかが見えてきます。

Zohoなら、少しずつ試しながら形にできます

Zohoには、在庫管理と受発注の情報を1つの仕組みでつなげるためのアプリがいくつか用意されています。在庫が動いたときに関連する記録が自動で更新される仕組みや、注文の状態を一覧で見られる画面など、Excelで手作業していた部分を仕組み化できる範囲があります。とはいえ、いきなり全部を変える必要はありません。まずは在庫表だけ、受注の入力だけといった小さな範囲から試すこともできますし、そもそも自社の数字がどこでずれているのかを紙に書き出してみるだけでも、次の一歩が見えてくると思います。もし「うちの場合はどこから手をつければいいのか」と迷うことがあれば、And So株式会社まで、まずは話を聞いてみるだけでも構いません。今のやり方を否定するつもりはなく、同じ現場を見てきた立場として、一緒に整理するところから始められればと考えています。

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