工事ごとの利益、締めてから気づいていませんか
「今月の工事、結局いくら儲かったんだろう」。月次の締めや決算のたびに、電卓とにらめっこしながらそう呟いている経営者の方は多いのではないでしょうか。材料費や外注費、人件費が現場ごとにバラバラと後から集まってきて、締めてみて初めて「あの現場、実は赤字だった」と気づく。そんな状態を、少しずつでも変えていく方法について書いてみます。
どうして「締めてから」しか分からないのか
工事を受注してから完成するまで、長いものだと数ヶ月、場合によっては年単位かかります。その間に発生する費用は、材料の仕入れ、外注先への支払い、職人さんの労務費、重機のリース代など、タイミングも支払先もバラバラです。
多くの会社では、これらの費用を一旦まとめて処理しておき、工事が完成した時点でようやく原価を集計します。つまり、現場が動いている最中は「この工事、儲かっているのか」が誰にも分かりません。分かるのは、全部終わって帳簿を締めてから、ということになります。
見積もりと実際の原価がズレていく
見積もりを作る段階では、材料費はいくら、外注費はいくらと細かく積算しているはずです。ところが実際に工事が始まると、追加工事が発生したり、材料の価格が変わったり、職人さんの手配が変わったりして、当初の見積もりからどんどんズレていきます。
このズレに気づくタイミングが、工事が終わった後だと手遅れです。「あの現場、追加工事の分を請求し忘れていた」「思ったより外注費がかさんでいた」と分かっても、もう取り返しがつきません。
現場でよくある光景
経理担当の方が、請求書や領収書の束を手に、どの現場の費用か一枚ずつ確認しながらExcelに入力している。そんな光景に見覚えはないでしょうか。
現場監督は現場監督で、紙の出面表に手書きで労務時間を記録し、月末にまとめて事務所に提出します。経理はそれを見ながら、どの工事にどれだけの人件費がかかったかを集計していきます。
このやり方だと、情報が事務所に集まってくるまでに数週間かかることも珍しくありません。現場が動いている間は、現場監督の頭の中にしか「今、この工事がどれくらいの状態か」という情報がない、という状態です。
案件ごとに原価を紐づけるという考え方
この状態を変える一つの方法は、費用が発生した時点で、それをどの工事の原価かすぐに記録しておくことです。難しく聞こえるかもしれませんが、要は「この支払いは、どの現場の分か」をその都度はっきりさせておく、というだけの話です。
- 材料を発注した時点で、発注書にその工事の名前や番号を紐づけておく
- 外注先への支払いも、どの現場の分かを記録しておく
- 職人さんの労務時間も、現場ごとに記録しておく
こうしておけば、工事が完成する前の段階でも「今のところ、この現場にはこれだけ原価がかかっている」という数字がいつでも見られるようになります。見積もりと比べて予算を超えそうだと分かれば、工事の途中でも手を打てます。
全部を一度に変えようとしなくていい
ここまで読んで、「うちの会社でそこまでやるのは大変そうだ」と感じた方もいるかもしれません。実際、紙と手作業で回っている現場を、いきなり全部デジタルに置き換えるのは無理があります。
まずは、工事ごとに発生する費用を記録する場所を一つにまとめることから始めてみてはどうでしょうか。Excelでも構いません。工事番号や現場名を必ず入力する列を作り、材料費、外注費、労務費をそこに集約していく。それだけでも、今まで締めるまで分からなかった「今、この現場がどうなっているか」が、少しずつ見えるようになります。
Zohoなら
ここまで紹介したような「案件ごとに原価を紐づける」という仕組みは、ZohoのBooksやProjectsといったアプリを組み合わせることで作っていけます。見積もりから発注、支払い、請求までを一つの工事案件に紐づけて記録していけば、工事が終わる前の段階でも、その時点での原価と利益がいつでも確認できるようになります。
もちろん、こうした仕組みは自社のExcelを工夫するだけでも、ある程度は実現できます。まずは今のやり方の中で、工事ごとに費用をまとめる場所を一つにしてみる。そこから始めてみるのも一つの手です。
ただ、現場の数が増えてきたり、関わる人が多くなってくると、Excelだけでは限界が来ることもあります。And So株式会社では、大阪を拠点に中小企業のZoho導入をお手伝いしています。一度、お気軽にご相談くださいませ。御社に合うやり方を一緒に考えていけたらと思います。