人材紹介会社の対応漏れをZoho CRMで防ぐ──期限・未入力を自動通知する仕組み

ディレクターのAiです。
現在担当している大阪の人材紹介会社様では、応募者情報の登録から面談、選考、就業先の確定、就業後の稼働者管理までをZoho CRM上で管理できる仕組みを構築しています。
人材紹介会社の業務では、複数の応募者や選考案件が同時に進行します。
応募者からの返答を待っている案件もあれば、面談は終わっているものの結果がまだ登録されていない案件、就業後のフォローが必要な稼働者もいます。
こうした業務では、CRMに情報を集約するだけでなく、対応が必要なタイミングを担当者が把握できる仕組みも重要です。
そこで今回は、Zoho CRMに登録されている期限や入力状況を定期的に確認し、対応が必要な情報が見つかった場合に、関係者へ自動で通知する仕組みを構築しました。
人材紹介会社の応募者管理で起こりやすい「対応漏れ」
人材紹介会社の応募者管理では、一人の応募者に対して複数の確認や連絡が発生します。
たとえば、応募者に対して面談をした後に書類の提出を依頼した場合、その後は応募者からの提出を待つことになります。
さらに選考が進めば、就業先企業との面談結果を確認し、CRMに登録しなければなりません。就業先の担当者の回答待ちになることもあります。就業が決まった後も、就業先での研修のスタートなどに応じて、必要な対応が発生します。
しかし、案件数が増えてくると、それぞれの期限を担当者が記憶だけで管理することは難しくなります。
カレンダーや個人のメモで管理していても、予定の登録自体を忘れてしまったり、担当者が休みの日に期限を迎えたりする可能性があります。
また、CRM上に期限を入力していても、担当者が対象のレコードを開かなければ、対応が必要なことに気づけない場合があります。
その結果、次のような対応漏れが起こりやすくなります。
- 応募者への確認連絡が遅れる
- 面談結果の入力が後回しになる
- 担当者によって確認のタイミングが異なる
- 就業後に必要な対応を見落とす
- 担当者が休みの日に業務が止まる
ひとつひとつは小さな確認作業でも、対応が遅れると応募者や就業先企業とのコミュニケーションにも影響します。
特に応募者対応ではスピードが求められるため、担当者が自分で思い出して確認する運用だけではなく、CRMから必要なタイミングで知らせる仕組みが必要です。
CRMに情報を登録するだけでは対応漏れを防げない
CRMを導入すると、応募者の基本情報や選考状況、対応履歴などを一か所にまとめて管理できるようになります。
しかし、情報を登録する場所を作るだけで、対応漏れがすべてなくなるわけではありません。
たとえば、「応募者返答期限」という項目を作成して日付を入力していても、その日付が来たことを担当者が確認しなければ、次の連絡にはつながりません。
面談結果についても同様です。
面談日が過ぎていても、結果の入力欄が空欄であることを誰も確認しなければ、未入力のまま残ってしまいます。
CRMを業務で活用するためには、情報を蓄積するだけではなく、登録されている情報をもとに、次に何をするべきかが分かる状態を作ることが大切です。
そこで今回の構築では、CRMに登録されている日付や入力状況を定期的に確認し、条件に該当するレコードがあった場合だけ、担当者へ通知する仕組みを設けました。
今回構築した「期限・未入力を毎日確認する仕組み」
今回構築したのは、Zoho CRM内の情報を毎日決まったタイミングで確認する仕組みです。
Zoho CRMのスケジュール機能とカスタム関数を使用し、対象となるレコードがないかを自動で検索します。
大まかな流れは次のとおりです。
- 毎日決まった時間に処理を実行する
- CRM内から条件に該当するレコードを検索する
- 対応済みや対象外のレコードを除外する
- 対応が必要なレコードを抽出する
- 対象者や期限をまとめて関係者へメールで通知する
担当者が毎朝CRMの一覧を開き、ひとつずつ確認しなくても、対応が必要な案件がある日にだけ通知が届く構成です。
また、すべての登録情報を通知するのではなく、「今日が期限である」「必要な項目が未入力である」といった条件に該当するものだけを対象にしています。
これにより、担当者は通知を受け取った後、対象となるレコードを確認して必要な対応を進められます。
応募者の返答期限が来たことを自動通知
ひとつ目は、応募者からの返答期限を確認する通知です。
応募者へ求人を紹介した後や、選考に関する確認を行った後、すぐに返答が得られるとは限りません。
そのためCRM上では、「いつまでに返答をもらう予定か」を応募者返答期限として登録しています。
今回の仕組みでは、応募者返答期限が当日になった選考管理レコードを毎日自動で検索します。
対象となるレコードが見つかった場合は、関係者へメールを送信し、応募者への確認が必要であることを知らせます。
これまでは、担当者が応募者ごとの期限を覚えておくか、一覧画面を開いて確認する必要がありました。
自動通知を設定することで、期限を迎えた案件をCRM側から知らせられるため、応募者への確認連絡を行うタイミングが分かりやすくなります。
また、担当者本人だけではなく、複数の関係者が通知を受け取れるようにすることで、担当者が休みの場合でも、ほかのメンバーが状況を確認しやすくなります。
面談結果の未入力を自動で確認
ふたつ目は、面談結果が未入力のレコードを確認する通知です。
面談が終わった後は、面談結果や次の対応方針をCRMへ登録する必要があります。
しかし、面談直後に別の業務が入った場合や、就業先企業からの連絡を待っている場合など、結果の入力が後回しになることがあります。面談結果が登録されないまま時間が経過すると、ほかの担当者が状況を確認できません。
また、応募者へ連絡するべきなのか、就業先企業へ確認するべきなのかも分かりにくくなります。
そこで、面談日を過ぎているにもかかわらず、必要な結果が登録されていないレコードを自動で確認する仕組みを設けました。
該当するレコードがある場合は、担当者へ通知を送り、入力または状況確認を促します。
この通知の目的は、入力作業そのものを催促することだけではありません。
情報が止まっている案件を早めに見つけ、次の対応へ進めることが大きな目的です。
CRM上の情報が適切に更新されることで、担当者以外のメンバーも現在の選考状況を把握しやすくなります。
通知を増やしすぎないための設計も重要
対応漏れを防ぐためには通知が有効ですが、通知を増やせば増やすほどよいわけではありません。
毎日多くの通知が届く状態になると、重要な連絡がほかのメールに埋もれ、通知自体が確認されなくなる可能性があります。
そのため、今後の構築では次の点を整理しながら通知条件を設定をする想定です。
- どの状態になったら通知するのか
- 何日前または何日後に通知するのか
- 対応済みのレコードをどう除外するのか
- 誰に通知を送るのか
- 通知を受け取った後に何を確認するのか
必要な条件を絞り込み、さらに通知の中でも優先度をつけ、優先度の高い情報からリマインドをさせることが重要です。
また、通知先についても、すべての社員へ一律に送るのではなく、実際に確認やフォローができる関係者へ送る設計にしています。
CRMの自動通知は、単にメールを送る機能ではありません。
業務上の期限や判断基準を整理し、「どの状態になったら、誰が、何をするのか」を仕組みに落とし込むものです。
まとめ
今回は、人材紹介会社様向けに構築した、Zoho CRMの期限・未入力を自動で確認する仕組みをご紹介しました。
CRMに情報を一元化しても、担当者が毎回自分で検索しなければならない状態では、確認作業の負担や対応漏れが残ります。登録された情報を定期的に確認し、対応が必要なタイミングでCRMから知らせることで、担当者は対象となる案件への対応に集中しやすくなります。
また、複数の関係者へ通知することで、担当者個人の記憶だけに依存せず、チームで対応状況を確認できる状態にもつながります。CRM導入では、顧客情報を保存する画面を作るだけではなく、その情報をもとに次の行動を促す仕組みまで設計することが大切です。
期限管理や入力状況の確認を手作業で行っている企業にとって、今回の仕組みがCRM活用を考える際の参考になればうれしいです。