Zoho CRMで塗料・塗装器具の販売および調色業務を効率化|塗料販売・調色会社のCRM構築事例

はじめに
今回は、塗料販売・調色会社で構築しているZoho CRMの活用事例についてご紹介します。
塗料・塗装器具の販売および調色を行う企業では、取引先ごとに商品・容量・数量・単価・納入先・調色依頼の有無など、案件ごとに管理すべき情報が多くなりがちです。
さらに、受注書・発注書だけでなく、調色をしている工場への依頼書など、同じ案件から複数の書類を作成する必要があるため、Excelや紙、チャットで管理していると、どうしても情報の転記や確認作業が増えてしまいます。
今回の事例では、こうした案件管理・書類作成・発注管理の流れをZoho CRM上に集約し、商談情報を起点に必要な書類を自動作成できる仕組みを構築しています。
塗料・塗装器具の販売および調色業務で起こりやすい管理課題
塗料・塗装器具の販売および調色に関わる業務では、1つの案件の中に複数の商品が含まれることがあります。
たとえば、同じ取引先からの注文でも、商品ごとに容量や数量が異なったり、一部の商品だけ調色依頼が必要だったり、納入先が自社倉庫と直送先に分かれたりするケースがあります。
このような業務を手作業で管理していると、次のような課題が起こりやすくなります。
・商談情報と商品明細が別管理になり、確認に時間がかかる
・受注書、発注書、依頼書をそれぞれ手作業で作成している
・同じ内容を複数の書類に転記するため、入力ミスが起こりやすい
・書類のバージョンが増えたときに、どれが最新版かわかりにくい
・発注が必要な商品、調色依頼が必要な商品を見落としやすい
CRMを導入する目的は、単に顧客情報を登録することではありません。
実際の業務の流れに合わせて、「案件の情報がどこにあり、次に何をすればよいか」がわかる状態をつくることが大切です。
塗料販売・調色会社で作りたかったもの
今回目指したのは、商談を起点にして、受注から発注・調色依頼までを一気通貫で管理できるCRMです。
具体的には、商談画面に商品明細を登録し、その情報をもとに以下の書類を自動で作成できるようにしました。
・受注書
・発注書
・調色依頼書
ポイントは、単に書類を作成するだけではなく、商品ごとの条件に応じて、必要な書類だけを作成できるようにしたことです。
たとえば、すべての商品は受注書に反映し、調色依頼が必要な商品だけ調色依頼書を作成する。発注書については、商品ごとの納入パターンに応じて、自社倉庫分と直送分を分けて作成する。
このように、現場の判断ルールをCRMに組み込むことで、担当者が毎回手作業で仕分けしなくても、必要な書類が自動で作成される状態を目指しました。
全体の構成
今回の構成では、まず取引先や仕入れ先、納品先などの基本情報を整理し、そのうえで商談を中心に業務が流れるように設計しています。
大まかな流れは以下の通りです。
- 取引先・仕入れ先・納品先を登録する
- 商談に商品明細を登録する
- 商品ごとに、調色依頼の有無・発注書作成の有無などを設定する
- ボタン操作で受注書・発注書・調色依頼書を自動作成する
- 作成された各書類を商談に紐づけて管理する
- 書類ごとにバージョン管理を行い、最新版がわかるようにする
このように、案件に関する情報を商談に集約し、そこから必要な情報を各書類モジュールへ引き継ぐ形にしています。
実装した主な仕組み
商談サブフォームで商品明細を管理
商談には、商品明細を入力するためのサブフォームを設けています。
商品名、商品コード、容量、数量などを明細ごとに登録できるようにし、1つの商談の中で複数商品を管理できるようにしました。
さらに、商品ごとに「調色依頼が必要か」「発注書を作成するか」「納入先はどこか(自社か自社以外か)」といった判断項目も持たせています。
これにより、後続の書類作成時に、商品ごとの条件をもとに処理を分けられるようになります。
ボタン操作で書類を自動作成
商談画面に設置したボタンを押すことで、受注書・発注書・依頼書を自動作成する仕組みを構築しています。
受注書には、商談内の商品明細をまとめて反映します。
依頼書については、調色依頼が必要な商品だけを対象に作成します。
発注書については、発注書作成の対象になっている商品を抽出し、さらに納入パターンごとに分けて作成します。
このように、商談に入力した情報をもとに、必要な書類を自動で作り分けることで、手入力や転記の手間を減らすことができます。
各書類を商談に紐づけて管理
作成した受注書・発注書・調色依頼書は、それぞれ商談に紐づく形で管理します。
これにより、商談画面を見れば、その案件に関連する書類を確認できるようになります。
「この案件の発注書はどれか」「依頼書は作成済みか」「受注書の最新版はどれか」といった確認が、商談を起点に行える状態になります。
バージョン管理と最新版チェック
書類作成業務では、修正や再作成が発生することもあります。
そのため、各書類名には「ver.1」「ver.2」のようにバージョンがわかる名称を付け、どの書類が最新版なのかを判別できるようにしています。
さらに、受注書・発注書・調色依頼書それぞれに最新版を示すチェック項目を持たせ、最新の書類だけにチェックが入るようにしました。
これにより、過去の書類を履歴として残しながら、実際に確認すべき最新版を迷わず判断できるようになります。
Zoho CRMで構築するメリット
今回のような業務は、Excelでもある程度は管理できます。
しかし、Excelの場合は、ファイルが増えたり、担当者ごとに保存場所や入力ルールが変わったりすると、情報が分散しやすくなります。
Zoho CRMで構築することで、顧客・商談・商品明細・書類・発注情報を関連付けて管理できます。
特にメリットが大きいのは、以下のような点です。
・案件ごとの情報を一元管理できる
・入力した情報を複数書類へ再利用できる
・担当者ごとの作業のばらつきを減らせる
・書類作成の抜け漏れを防ぎやすくなる
・最新版の書類を判断しやすくなる
・業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズできる
CRMは営業管理だけのツールと思われがちですが、実際には受注後の業務や社内処理まで含めて設計することで、現場業務の効率化にも活用できます。
構築時に大切にしたポイント
今回の構築で大切にしたのは、Zoho CRMの標準機能に無理やり業務を合わせるのではなく、塗料販売・調色会社の実際の業務フローに合わせて設計することです。
塗料・塗装器具の販売および調色業務では、商品単位で判断が分かれる場面が多くあります。
そのため、「商談単位で管理する情報」と「商品明細単位で管理する情報」を分けて考える必要があります。
また、書類も1種類ではなく、受注書・発注書・依頼書のように目的が異なるため、それぞれを別のモジュールとして管理しながら、商談に紐づける構成にしています。
最初から完璧な自動化を目指すのではなく、まずは業務の流れを整理し、どの情報をどこに持たせるべきかを決めることが重要です。
そのうえで、手作業が多い部分やミスが起きやすい部分から自動化していくと、現場で使いやすいCRMになっていきます。
まとめ
今回のZoho CRM構築では、塗料・塗装器具の販売および調色業務における受注・発注・調色依頼の流れを、商談を中心に一元管理できる仕組みをつくっています。
商談に商品明細を登録し、その情報をもとに必要な書類を自動作成することで、転記作業や確認作業を減らし、業務の抜け漏れを防ぎやすくなります。
また、書類ごとのバージョン管理や最新版チェックを取り入れることで、作成後の運用まで見据えた設計にしています。
Zoho CRMは、顧客管理や営業管理だけでなく、業種ごとの細かな業務フローに合わせてカスタマイズできる点が大きな強みです。
「Excelや紙での管理に限界を感じている」
「受注後の書類作成を効率化したい」
「自社の業務に合ったCRMを構築したい」
このように感じている企業様にとって、今回のような構築は参考になるのではないでしょうか。
And Soでは、業務の整理からZoho CRMの設計・構築・運用改善まで、実際の現場に合わせた導入支援を行っています。
自社でも同じような仕組みをつくりたい方は、ぜひ一度ご相談ください。