zohoとキントーンの違い
業務効率化やデータ管理のニーズが高まる中で、クラウド型の業務アプリケーションは中小企業から大企業まで幅広く導入されています。その中でも特に注目されているのが Zoho(ゾーホー) と kintone(キントーン) です。どちらも「ノーコード」「ローコード」で業務アプリを構築できるプラットフォームですが、提供している機能や思想、価格体系には違いがあります。本記事では、両者の特徴を整理しながら違いをわかりやすく解説します。
Zohoとは
Zohoはインド発のグローバル企業 Zoho Corporation が提供するクラウドサービス群の総称です。40種類以上のアプリケーションが用意されており、CRM(顧客管理)、営業管理、メール、プロジェクト管理、人事など、企業活動のほぼすべてをカバーできます。
中でも中核となるのが Zoho CRM です。
- Zoho CRM:営業活動や顧客管理に特化
Zohoは「オールインワン型」で、企業が必要とする多様な機能を一つのエコシステムで揃えられる点が大きな特徴です。
kintoneとは
kintoneはサイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務改善プラットフォームです。こちらは日本企業が開発したサービスで、日本国内の中小企業から大企業まで幅広い導入実績があります。
kintoneは「業務アプリを自分たちで簡単に作れる」ことを最大の強みとしています。プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップでデータベース型アプリを作成できるため、Excelで管理していた情報をクラウド化して共有・活用しやすくなります。
提供範囲の違い
- Zoho:CRM、会計、メール、マーケティング、自動化、AI分析など、ビジネスに必要なあらゆる領域を網羅。
- kintone:業務アプリ作成と情報共有に特化。業務改善の土台となる「データベース+ワークフロー管理」が中心。
Zohoは「会社全体のIT基盤をトータルで置き換える」ことを目指しているのに対し、kintoneは「業務改善のためのプラットフォーム」にフォーカスしています。
使いやすさの違い
- Zoho:アプリ数が多く高機能。注文からご請求、入金までを一気通貫に管理できるプラットフォームがデフォルトで提供。
- kintone:シンプルな画面設計で、非エンジニアでも直感的に利用できる。
「とにかく早く業務アプリを作りたい」ならkintoneが有利ですが、「部門ごとに高度な要件を実現したい」営業、顧客管理ならZohoが強みを発揮します。
カスタマイズ性の違い
- Zoho内のZoho Creator では独自スクリプト言語「Deluge」を使って高度なカスタマイズが可能。外部サービスとの連携や自動化処理も柔軟に組み込めます。またZoho内で提供されているアプリーケションが多数あるため、簡単に連携、活用できます。
- kintone でもJavaScriptやプラグインを用いて拡張できますが、自由度はZohoより低め。
料金体系の違い
- Zoho:各アプリを単体で契約する方法(主にZohoCRM1,680円~)と、「Zoho One」という包括プラン(月額10,000円前後/1ユーザー)で全アプリを使える方法がある。コストパフォーマンスが良い。
- kintone:スタンダードプランで月額1,500円/1ユーザー。シンプルな料金体系。追加機能はプラグインや外部連携(別途費用)で補う形になる。
導入事例の違い
- Zoho:営業組織を強化したい企業、複数部門で統合的に利用したい企業に多い。
- kintone:自社に担当者が永続的に居て、自由にアプリケーションを作成したい企業に多い。
まとめ
Zohoとkintoneはどちらも「業務改善を支援するクラウドサービス」ですが、アプローチが異なります。
- Zohoは「オールインワン型」で、幅広い業務領域を一元管理できる。
- kintoneは「シンプルで使いやすい業務改善ツール」で、自由にアプリケーションを作成できる。
企業の規模やニーズによって選ぶべきサービスは変わります。幅広い業務を統合したいならZoho、まずは一つの管理だけを何とかしたいならkintoneが適しています。