原材料のロット番号を手書きの帳票に書き写し、その控えをファイルに綴じている。忙しい日は記入が翌日にずれ込む。もし今、取引先から「この商品を回収してほしい」と連絡が来たら、どこまで遡れるか、正直に言うとわからない。そんな不安を抱えながら日々の製造を回している担当者は少なくないと思います。
ロット管理が後回しになりやすい理由
食品製造の現場では、原材料の入荷、仕込み、加工、包装、出荷と工程が細かく分かれています。それぞれの工程でロット番号を記録する必要があるとわかっていても、目の前の生産を止めるわけにはいきません。結果として「あとでまとめて書く」が続き、記憶を頼りに記入する場面が出てきます。誰か一人が悪いわけではなく、記録の手間が現場の忙しさに負けてしまう構造があるのだと思います。
紙とExcelでの記録が抱える限界
多くの現場では、原材料の受入記録は紙の台帳、製造記録は別のExcelファイル、出荷記録はまた別の帳票、というように情報がバラバラに存在しています。ある小麦粉のロットがどの製品のどの製造日に使われたかを調べようとすると、台帳をめくり、Excelを開き、出荷伝票を探し出し、それぞれの日付や数字を突き合わせる作業になります。慣れた担当者がいれば半日、いなければ数日かかることもあります。担当者が急に休んだ日に、この作業が回らなくなったという話もよく聞きます。
回収が起きたときに問われること
実際に商品回収が必要になった場面を想像してみます。問題が見つかった原材料のロットが、いつ入荷し、どの製造日の、どの商品に使われ、どの取引先に何個出荷されたか。これを短時間で示せるかどうかで、回収の範囲も対応の速さも変わってきます。範囲を絞り込めなければ、本来回収しなくてよい商品まで含めて広く回収する判断をせざるを得なくなり、コストも信用への影響も大きくなります。逆に言えば、記録がきちんと残っていれば、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。
記録が残っていないとどうなるか
記録が曖昧なまま時間が経つと、取引先への説明も後手に回ります。「調べています」という返答を何度も繰り返すことになり、信頼関係にも影響します。担当者個人の記憶や勘に頼っている状態は、その人が抜けた瞬間に会社としての対応力が失われるという意味でもリスクだと感じます。
記録を残す仕組みをどう作るか
大がかりなシステムを一気に導入する必要はないと思います。まずは「どの工程で」「何を」「いつ」記録するのかを、紙一枚に書き出してみることから始められます。原材料の入荷時にロット番号を記録する、仕込みの際にどのロットを使ったか記録する、出荷時にどの製造日の商品を誰に送ったか記録する。この三点がつながっていれば、追跡はかなり楽になります。次の段階として、紙やExcelでバラバラに管理していた情報を、一つの場所にまとめて検索できるようにすることを考えてみてください。誰が入力しても同じ形式になる仕組みがあると、担当者が変わっても記録の質が落ちません。
Zohoなら
まずは自社の記録の流れを紙に書き出してみることから、無理なく始められます。入荷から出荷までの記録がどこで途切れているかが見えてくるはずです。その上で、記録を一元管理して検索できる仕組みを整えたいと考えたときは、Zohoのアプリを組み合わせて、入荷から出荷までの流れをひとつの画面で追える形にできます。専任の情報システム担当者がいなくても、現場の言葉で相談しながら形にしていくことができます。And Soでは、大阪を拠点に中小企業のZoho導入をお手伝いしています。まずは今の記録の残し方を一緒に見てみるところから、話を聞いてみるだけでも構いません。お気軽にお問合せくださいませ。